醤油売り場に行くと沢山の商品が並べられています。高級な高価な醤油からお手頃価格の普通の醤油まで様々。一体、この醤油の違いはなんなんだろうか?醤油に違いなんてあるの?そんな風に思われている方もいるかもしれませんね。
今回は、この醤油の美味しさ、選び方について見ていきましょう。
「高級な醤油は、本当に美味しいのか?」こんなところにフューチャーしていきたいと思います。
色が黒くて(中には色が黒くないものもあるけど)、塩辛くて、美味しい醤油。見た目はほぼ一緒ですよね。
普通の一般的な醤油を使ったって同じなんじゃないかな?こう思うかもしれません。
でも高級な醤油と普通の醤油には、やっぱり違いがあるんです。この記事を読んで、しっかりご自分で選んで購入できるようになればと思います。
Contents
高級な醤油に違いはあるのでしょうか?!
醤油と言ってもいろいろな種類があって、そして、その中でも高級な醤油もあれば、手軽に買えるような醤油もある。どれも同じような気がしてしまいますよね。
一体どんな違いがあるのでしょうか?
原材料の大豆の違いから見た醤油
まず、醤油の原材料と言えば、日本のシェアナンバー1の濃口醤油などで言うと、
- 大豆
- 小麦
- 塩
です。この原材料の中で大きく味を左右できる材料は、大豆です。この大豆の種類によって高級な醤油、そうでない醤油の違いがでてくるのでしょうか?
この大豆の部分で違いを言えば、
- 丸大豆を使用している
- 脱脂加工大豆を使用している
どちらかに分かれてくると思います。
醤油の裏面のラベルにも「丸大豆」(大豆と記載がある場合もある)とか「脱脂加工大豆」と記載がある場合が多いです。
- 丸大豆を使用すると必然的に分解が遅いので、熟成期間を長くとってやらなければいけないという工程が生まれてきます。ですから、丸大豆醤油は、長い熟成期間の中でジワジワと分解されて、その長い期間の中で沢山の微生物たちが美味しさの元になる副産物を放出しますから、複雑味もある醤油が完成します。
- 脱脂加工大豆は、字の通り、脱脂した大豆を使用していきます。熟成中には大豆の油脂が発酵に邪魔になることがあるそうです。最初から脱脂している加工大豆を使用することで、スムーズに熟成を行うことができます。大量生産している醤油は、沢山の商品を次々と作り出していかなければいけませんので、この脱脂加工大豆を使用していることが多いです。
いかがでしょうか?上記の丸大豆か脱脂加工大豆の大豆の違いの特徴を見ると、丸大豆を使用している方が手間ひまがかかっている分、高級な醤油、高価な醤油として商品になっている場合が多いように思います。
脱脂加工大豆を使用している醤油はダメなのか?
よく発酵教室の生徒さんに、「脱脂加工大豆を使用している醤油はあまりよくないんですよねぇ?」なんて聞かれたりするんです。今回、高級な醤油と普通の醤油の違いについて書いているので、大豆について補足で書いておきますね。
丸大豆を使用すると油脂があるので、熟成のスピードがジワジワと遅い訳です。最低1年はかかります。1年以上かけて造る醤油だってあるのです。そうやって時間をしっかりかけてやらないと美味しい醤油にならないんですよね。手間がかかる、熟成期間が長いということは、必然的に商品化される本数にも限りが出てきます。だから高級な醤油になっちゃう訳です。高価になっちゃうという理由はここにあるんですよね。
ただ、皆さんに知っていて欲しいのは、脱脂加工大豆を使用しているから、この醤油はダメ!なんてことはないんです。脱脂加工大豆は、旨味成分の値で見ると、丸大豆よりも高い数値なんです。材料だけをとってみれば、旨味の高い醤油ができるのは脱脂加工大豆を使用した醤油、とも言うことができます。
丸大豆を使用した醤油は、確かに熟成期間が長い事や手間暇、そして生産量の問題もあって高級な醤油と認識されますが、脱脂加工大豆を使用したとても美味しい醤油も沢山存在しています。
原材料の違いは、出来上がった醤油の味わいの特徴にもつながっていますので、脱脂加工大豆を使用しているからダメ!ということはないので覚えておいて下さいね。
添加物の有無の違いによる醤油
また、もうひとつ注目すべき点で言えば、添加物が入っているか、入っていないかの違い。
よくラベルに記載があるのは、
- アルコール
大豆、小麦、塩、アルコールって書いてあることがありますが、アルコールを入れている意味は、ボトル内で発酵が進み、白いカビ(産膜酵母)がついてしまわないようにという意味があります。
アルコールが添加されている醤油全てをおすすめできるかというと、そうとも言い切ることができないのが現状です。
安い値段で大量生産することを目的にうま味成分を低くした醤油にアルコールを添加する場合もあります。 そのため、原材料表示にアルコールと書かれているから悪いもので、書かれていないから良いものという判断ではなく、醤油の造り手がどのような目的でアルコールを使っているかで判断をしなければいけません。そこが選ぶポイントにもなりますね。
それからよく添加物で記載があるのが、
- 甘味料
- アミノ酸液
です。甘味料は、醤油の味わいに甘味を足していきます。甘味を混ぜることによって、いろいろな地域の人々の口に合うように調節をしています。九州の醤油には、甘味料がしっかり入っていて甘い醤油が沢山ありますよね。
そしてアミノ酸液は、旨味成分を凝縮した液体です。旨味がじゅうぶんに引き出されない場合には、このアミノ酸液を入れたり、甘味料と同じようにいろいろな地域の好みによって、入れる量を調整していたりします。
他にも、いろいろな添加物を醤油に入れる場合があります。
ただ、ここでも補足しておきますが、添加物が入っている醤油だからって、ダメ!と言うことはここでもありません。
大前提として醤油に使う添加物は、食品衛生法によって使用が認められ国が安全性を確認したものに限られています!だから、添加物入りだからといって、ビクビクしなくても大丈夫です。
近年では、消費者の健康志向が高まるにつれて減塩醤油などのニーズも増えてきています。減塩の商品って本当に増えましたよね。塩分の少ない醤油には菌が繁殖しやすいんです。塩は発酵をコントロールしている重要な役割があります。でも、品質の安定化などに取り組むために最低限の添加物を使用するケースや先程も書いたように地域の消費者が好む味に調整するために使用するケースがあります。これも覚えておいて下さいね。
添加物が入っていても美味しい醤油はこれまたいっぱい存在しています。
ただ、やっぱり添加物が入っているということは、熟成期間も短く、大量にできあがるようにという目的の醤油が多いでしょう。
そうなると、高級な醤油の条件となってくると、やはり、添加物が入っていない醤油と言えると思います。
これが最高級醤油か?決定的な違いの○○醤油!
私が考える高級醤油は、有機醤油です。これは、2年間以上、農薬・化学肥料を使用していない農地で、一切農薬・化学肥料を使わずに育った大豆と小麦を使い、一切の他の醤油と混ざることのないように厳しい管理基準をクリアした製造過程で作られた、添加物不使用の醤油の事を言います。
有機認定を受けるには、原材料のひとつひとつに沢山の資料を提出してクリアしなければならないのです!
手間暇かかってる~~~~!!!
それでいて、材料はシンプルで、(濃口醤油の場合はね)
- 丸大豆
- 小麦
- 塩
それでもって、
- 添加物不使用
- 熟成期間も長い
こんなにこだわって造っている醤油。これこそ一般的な普通の醤油との違い!高級な醤油と言えるのではないでしょうか?
この有機醤油は、いろいろな地域でいろいろなメーカーや醤油蔵の職人さんたちが長い期間かけて、造っています。だから、味も様々です。土地の違いは、微生物にも関係してきます。微生物が違えば、全て同じ味にはならないというのが、醸造物のおもしろいところ。そんな沢山の有機醤油の中から自分の好みの醤油を見つけ出すという行為自体に他の一般的な醤油との違いを感じますね。
これこそ、高級な醤油と言えるのではないでしょうか?
それでは、今回の「高級な醤油と普通の醤油の違いとはなんだろうか?!」をまとめていきましょう。
高級な醤油と普通の醤油の違いとはなんだろうか?!まとめ
これが最高級醤油か?決定的な違いの○○醤油!
それは有機醤油と言えるでしょう。
- 2年間以上、農薬・化学肥料を使用していない農地で、一切農薬・化学肥料を使わずに育った大豆と小麦を使い、一切の他の醤油と混ざることのないように厳しい管理基準をクリアした製造過程で作られた、添加物不使用の醤油の事を言います。
- 材料は、シンプル。(丸大豆、小麦、塩)←濃口醤油などの場合
- 添加物は不使用
- 熟成期間が長い
こんなにこだわって造っている醤油。これこそ一般的な普通の醤油との違い!高級な醤油と言えるのではないでしょうか?
この有機醤油は、いろいろな地域でいろいろなメーカーや醤油蔵の職人さんたちが長い期間かけて、造っています。だから、味も様々です。土地の違いは、微生物にも関係してきます。微生物が違えば、全て同じ味にはならないというのが、醸造物のおもしろいところ。そんな沢山の有機醤油の中から自分の好みの醤油を見つけ出すという行為自体に他の一般的な醤油との違いを感じますね。
これこそ、高級な醤油と言えるのではないでしょうか?
普通の一般的な醤油は、商品の味を均一をはかるためや、大量生産をするためなどの理由もあり、材料を変えたり、添加物を入れてみたり工夫を凝らして造られています。これらの醤油を否定する訳ではありませんが、有機醤油の場合は、作物の採れる厳しい畑の規定もありますし、シンプルな素材故に熟成期間も必然的に長くなります。一般的な醤油とは違い、手間暇がかかってきます。そこが大きな違いと言えるでしょう。
最後に言いたいこととしては、醤油というのは日本人にとっては切っても切れないような重要な調味料のひとつです。醤油は、地域性が出る調味料でもありますので、どうぞ皆さんいろいろな醤油を試して、自分でお好きな醤油を見つけてみて下さい。
そして、何よりも安心な醤油を食べるために、自分の地域にある醤油蔵を探して頂き、その職人さんにいろいろ尋ねてみたりしながら、醤油を購入して頂けたらと思います。
昨今、醤油蔵が日本から後継者不足や大手メーカーに押されて、どんどんなくなっていっているそうです。日本の食文化、醤油蔵を守れるのは私たち日本人1人1人だという気持ちを持って頂けたら、私も発酵料理人として嬉しく思います。
それでは、皆さん、良い熟成を・・・
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