牛乳に弱い乳糖不耐症の人の割合は約80%!日本人なら当たり前であり、哺乳類なら正常なこと。

牛乳を飲んだり、乳製品を食べると、お腹がゴロゴロしてしまったり、下痢になってしまったり、そんな症状が出てしまう人、皆さんの周りにもいっぱいいるのではないでしょうか。そして、あなたはどうですか?これは、乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)という症状です。実は、日本人における乳糖不耐症の割合は、80%超もいるのです。結構、いっぱいいると思いませんか?日本人のほとんどが、乳糖不耐症ってことになるんです。

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乳糖不耐症とは、乳製品に含まれている「乳糖」という糖(ラクトース)を分解してくれる酵素(ラクターゼ)が働かなかったり、量が少なかったりして、小腸内で消化吸収出来ずに、進んでいってしまい、結局大腸で不具合を起こして、お腹がゴロゴロ痛くなったり、最悪は、下痢してしまったりする症状のことを言います。

牛乳でお腹ゴロゴロ、下痢になる。それは、乳糖不耐症!牛乳は、加熱すれば大丈夫なのか?!

日本人の割合80%というのは、自分で自覚症状がない軽い乳糖不耐症の人も全て入れた数字ではありますが、どうしてこんなに多いのでしょうか?そもそもこの80%という割合が多いのかも比較対象がなければ、ハッキリわからないというのもある。

他の国の外国人の方々は、乳糖不耐症なのかな?どのくらいの割合いるのかな?

今日は、日本人と乳糖不耐症について詳しく書いていきます。

人間が持っている体内酵素によって、食物を分解できたり、できなかったり、長い時間をかけた食文化が影響してくるんですよね~。なんだか、今回は、壮大な話になっています。

日本人の乳糖不耐症の割合は多い!それは、どうしてなのか?

まずは、日本人の乳糖不耐症の割合が80%という数字をどうやって算出しているのかという話や具体的な症状の数字を書いていきますね。

ある研究チームの乳糖不耐症に関する実験

乳糖不耐症かどうかを調べるために、どうやって実験をしているのか。

全ての研究でこの方法が取られているのかは、不明ではありますが(まだ研究段階で実験の詳細などを公表していない研究チームも沢山あると思うので)今回はある研究チームの実験方法について調べてみました。

実験の方法は、2つあり、この2つのデータを元に割合を出しています。

そもそも乳糖不耐症は、小腸にある乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性が弱いから生じるということです。この酵素活性に注目してデータを取っています。

  • 乳糖そのものを摂取してもらい、その後の血糖値の増加を調べる。

ラクターゼの活性が高い人の場合は、腸内が空っぽの時に乳糖を摂取すれば、ラクターゼが働いて血糖値が高くなるという原理。

  • 乳糖そのものを摂取してもらい、呼気中(息の中)の水素濃度の上昇を調べる。

もしも小腸内でラクターゼが働かず、大腸にまで行ってしまうと大腸内の腸内細菌たちにより発酵が行われる。お腹ゴロゴロの原因のメタンガスが発生するので、息の中の水素濃度が上がれば、発酵が盛んに行われているという測定方法。

(う~ん。。。息からオナラの量を測定するってことね。。なんか、ちょっと。。ヤダわ。。恥)

結果としては、実施された年代によって、どちらか一方だけの実験だけで数値を算出したりしていた時もあったりして、数値自体はバラバラではあるものの(昔は、万能な精密分析機器もなかったのでしょう)約80%が乳糖不耐症という結果が出ています。

数値が毎回バラバラになってしまう要因のもうひとつとしては、血糖値上昇については、他の身体の機能も関係してしまうことや腸内細菌の他の影響なども考えられるので、バラバラになってしまうようです。人間対象の実験なんだから、そんなこともあるでしょうね。

こんな実験結果から、乳糖不耐症の割合は出されているのです。

日本人の乳糖不耐症の割合は80%の内訳

この数値は、ある基準に基づいて、軽度の乳糖不耐症のほとんど普段の生活では気にならない、不自由ではない、という人も含まれている数字になっています。

乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性だったり、持ち合わせている量だったり、歳を追う毎にラクターゼが減少していくスピードだったりは、人それぞれなんです。今は、牛乳をいっぱい飲んでても大丈夫だったのに、10年後には、いろいろな生活習慣や身体の変化によって、お腹ゴロゴロになってしまうかもしれない。。。人それぞれ、症状の出る時期や軽度なのか重度なのかは違うということになります。

それでは、他の外国人たちの乳糖不耐症の割合をみていきましょう。

外国人たちの乳糖不耐症の割合について

まず、日本も含め、アジア圏内の人種たちは、ほとんどが乳糖不耐症の割合が80%近くある。

インド人は、約50%くらい。イタリアなどのヨーロッパは、30~50%。

そして、北欧の人たちは、3%!ほとんどが、ラクターゼをしっかり持っている人種なのだ!

同じ人間なのに、こんなに数値が変わってくるなんて、なんだかおもしろいですよね~。どうして、こんなに数値に差が出てくるのかを考えてみました。

日本人の食文化の歴史が語る乳糖不耐症

そもそも乳糖不耐症は、哺乳類であれば正常なことなんです。

生まれたての赤ちゃんは、母乳を飲みます。母乳しか栄養源がないのです。母乳にも乳糖は含まれています。この乳糖を分解できなければ、生きていけない訳です。ですから、哺乳類で生まれた場合、先天的な要因がない限りは、乳糖分解酵素のラクターゼをしっかり持って生まれてくるんです。生きるために。

でも、授乳期が終わり、離乳してしまえば、もうラクターゼは必要なくなります。哺乳類は、ある一定時期を過ぎるとラクターゼの活性は衰退していくんです。もう母乳を飲まなくても、違う物を食べて生きていけるようになるのですから。

考えてみて下さい。野生のライオンたちがいたとします。ライオンの赤ちゃんは、生まれた時にお母さんライオンの母乳を飲んで育ちますね。狩りを覚えて、たくましく大草原で生きていくのです。ライオンは、喉が渇いたと思って、牛を捕まえて、牛の乳を飲むでしょうか?飲みませんよね。ラクターゼはもう必要ないから、なくたっていいんです。犬だって、猫だって、哺乳類ならラクターゼが減ってしまうのは自然なことです。

大きな視点で見ると、ラクターゼの活性が弱くなっていくということは、自然現象とも言えるのですね。

しかし、人間という哺乳類は、牛乳を飲みますし、乳製品だって食べます。

そして、我々、日本人!!!

ラクターゼの活性が弱い人種な訳ですが、そもそも牛乳や乳製品を食べるようになったのは、戦後のことなんですよね。100年も経ってないじゃんって話。確かに私の両親も小さい頃は、脱脂粉乳とかいうまずい飲み物を飲んでいたと言っているし、まだ本当の牛乳をその頃も飲んでいなかったんですよね。さすがに、私が生まれた頃には牛乳は一般にも普及していたと思いますが。。

牛乳や乳製品を日本人が今のようにいっぱい食べたり、飲んだり、楽しめるようになってから、まだそんなに月日は経っていないのです。

我々、日本人は、農耕民族です。昔から、日本人たちは、畑を耕し、野菜や肉や魚を食べてきました。良質なタンパク質をしっかりと食べてこれた民族なんですよね。

一方、ラクターゼをしっかり持っている北欧の人種に関して考えると、彼らは、酪農民族です。日照時間が短く、作物だってなかなか採れません。酪農民族の彼らにとって、牛乳や乳製品というのは、生きていく上で大切なタンパク源だったということなのです。

このような食文化が、何千年も続いてきたとしたら、身体の中で分解できる、分解できない、というのがもちろん変わってきても当然のことと言えるのではないでしょうか。

ですから、日本人であれば、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするというのは、当たり前のことなんですよね。牛乳や乳製品を食べてきた人種ではありませんので。。。なんだか、今回は、長く遠い食文化の歴史に目を向けてしまいました。

余談ですが、日本人は世界的にも、デンプン分解酵素(アミラーゼ)をしっかり持っている人種です!そう、美味しいご飯を分解する酵素のことですよ。

人種によって、食文化や歴史によって、人体の酵素の量や活性にも違いが出てくるのですね。

それでは、今回の記事をまとめていきます。

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日本人の乳糖不耐症の割合~まとめ~

日本人の乳糖不耐症の割合は、80%。他のアジア圏内の人種も高い数値が出ている。

一方、世界の中でも一番、乳糖不耐症の割合が少ないのは、北欧である。

こんなに割合が多いのは、日本人の食文化が、農耕民族として続いてきたことも要因のひとつではないでしょうか。また、牛乳や乳製品自体も日本で食べられるようになったのは、まだ100年も経っていません。

一方、北欧圏の民族が、割合が少ないというのは、酪農民族という食文化の歴史を持つ彼らにとっては、乳製品は貴重なタンパク源でした。この食文化が何千年も続いていけば、遺伝子レベルでも生きるために変わってきたと考えても不思議ではないのではないでしょうか。

最後に、日本人は乳糖不耐症が多いですが、飽食の国です。食べ物に恵まれた国です。乳製品も嗜好品と考えて、上手に食べていきたいものですよね。

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