最近は、発酵ブームもあって、毎年、自宅でお味噌を手作りされる方たちも増えてきたのではないでしょうか?お味噌は、地方によって、味や材料などいろいろなタイプに分かれていますが、どれが良いというのは特にはなくて、皆さんそれぞれの生まれ育った地域で食べてきたタイプの味噌や味の好みに合わせて、手作り味噌を作り、ご自宅で楽しんで頂けたらと思います。
やはり「手作り」にかなう味はありませんからね!
そうそう、先日、友達からこんなメールが届いたんです。
「毎年、米麹を使って、米味噌を仕込んでいるの。手作りの味噌に家族もはまっちゃってて、もう市販品の味噌を使うとばれちゃうんだよ~笑 それでね、米麹だけで作る米味噌だけじゃなくて、今年は、米麹ともうひとつ違う麹を混ぜて、合わせ味噌を作ってみたいんだけど、何かレシピとかアドバイスとかよろしく~!」
よく聞いたら、米麹だけで米味噌も大量に仕込むのは決まっていて、もうひとつ何か合わせ味噌を作ってみたいとのこと。。と、いうことは、味噌が大量に出来上がってしまう訳だから、もうひとつの合わせ味噌の方は、1年以上置いていても大丈夫な長期熟成して長く美味しく食べられる味噌がいいかな、と考えました。
皆さんの中でも、毎年、1種類だけの麹で味噌を作っていて、合わせ味噌に挑戦してみたいな~、とか、
作り過ぎちゃって、なかなか出来上がった味噌に手がつけられなかったら、どうしようと心配で、いつも1種類だけ仕込んでるんです~、という方たちのために、
今回は、長期熟成でもずっと美味しく食べられる合わせ味噌のご紹介です。いつも仕込んでいる味噌とプラスして、もう一種類、合わせ味噌を仕込んでみてはいかがでしょうか?風味も味も変わるので、ご家族で食べ比べを楽しめますね。
合わせる麹は、「豆麹」です。豆麹と米麹の合わせ味噌の作り方、早速、作っていきましょう!
Contents
豆麹と米麹の合わせ味噌の作り方
今回、ご紹介する合わせ味噌は、「豆麹」と「米麹」にします。
どうして、この2つを合わせることにするのか、という理由を書いていきます。
この理由を知っておくと、ただ美味しいからというだけではなく、もう少し詳しく味噌の熟成の秘密がわかるようになると思いますよ。
豆麹、米麹、麦麹の熟成期間の違いの訳とは?!
そもそも「豆麹」だけで作る豆味噌は、とても長い時間をかけて熟成します。2年は熟成して頂きたい!長い時間をかけるんですよね。豆麹は、蒸した大豆に直接麹菌を植え付けた麹です。
熟成期間で言えば、米麹を使った米味噌だと約1年で出来上がりますし、麦麹を使った麦味噌であれば、2ヶ月から3ヶ月で出来上がります。これの違いは、何かというと、簡単に言ってしまえば、熟成させる地域の風土なども関係はしてくるのですが、そもそも豆麹、米麹、麦麹の原料の持っている「でんぷん」量の違いとも言えるのです。
デンプンは、麹の作用によって、「ブドウ糖」が生成されます。このブドウ糖をエサに沢山の微生物たちが関わって、時間を経て、味噌が出来ていきます。
米もデンプンを含んでいますよね。それ以上に麦は、デンプン量が多いのです。ブドウ糖を沢山生成することによって、微生物たちが、ガンガン働いて、発酵熟成が進んでいきます。発酵スピードは、豆麹だけの豆味噌よりも速いです。
でも、豆麹の原料の大豆は、ほとんど「タンパク質」の塊のようなもの。生成されるブドウ糖量も少ないこともあって、味噌にするには、ジワジワとじっくり発酵熟成させてあげる必要があるのです。熟成期間が長いですが、真っ黒い旨みや栄養たっぷりの味噌が出来上がります。
このような理由から味噌の熟成期間の違いが出てくるのです。
今回は、豆麹と米麹を合わせて味噌を作ることにより、1年くらい、もしくは、1年以上熟成しても美味しく食べられるような味噌に仕上げていきます。もちろん、1年半くらい寝かせても大丈夫なように、塩分濃度も少し高めにして、作っていきます。
塩分も味噌の熟成を握る大きなポイントになってきます。塩分を多く入れると熟成期間は長くても、大丈夫です。じっくりと熟成できます。塩分は少ない方がいい~と思うかもしれませんが、熟成期間が長いということは、その分、沢山の微生物たちが関わってきますので、彼らの生成した成分がたっぷり詰まった味噌が完成しますし、味も沢山の微生物が関わることにより、複雑になり美味しさ、コクにつながっていくのです。
デンプンを含んでいる米麹とじっくり熟成型の豆麹を合わせて、そして塩分濃度を調整してあげることによって、1年以上経っても美味しく楽しめる、良いとこどりの合わせ味噌にしていきましょう!
それでは、作ります!
豆麹と米麹で合わせ味噌~材料と作り方~
<材料>約5~6キロ程度に出来上がります
- 乾燥大豆 1kg(茹でた大豆 2kgの計算)
- 豆麹 1kg
- 米麹 1kg
- 塩 650g (塩分濃度は、12%です)
- 仕込み水もしくは、大豆のゆで汁 750cc
<作り方>
(前日の準備)
- 前日に鍋に大豆を1kg量り入れて、たっぷりの水を入れて、一晩大豆を水につけ込んでおきます。
- 米麹と豆麹に分量の塩を入れて、しっかり混ぜ込んでおきます。この作業を「塩切り作業」といいます。
(仕込み当日)
- 漬け込んでいた大豆を火にかけていきます。コトコトと豆が柔らかくなるまで煮込んでいきます。途中でアクがいっぱい出てきますので、丁寧に取り除きながら煮込みます。圧力鍋を使ってもよいですが、せっかくの手作りですし、味噌は大豆の味もとても重要ですので、美味しく仕上げるためにも鍋でゆっくりコトコトと煮込んでいくことをオススメします。
- 大豆が柔らかくなったら、煮汁を切りながら、大きめのジップロックなどに入れて、豆が熱いうちにジップロックの上から手でつぶしていきます。熱いままでないと豆がつぶれなくなるので、手早く作業しましょう。
- 大豆がつぶれたら、大きなタライやビニールシートを敷いたテーブルに出して、更に豆の粒がないようにつぶしていきます。
- 全体的に豆の大きな粒がなくなったら、ドーナツ状に土手を作り、前日に合わせておいた麹の5/1程度をドーナツ状の真ん中に入れて、しっかりと混ぜ込むように練っていきます。そのときに仕込み水か大豆のゆで汁を少しずつ加えながら、麹が全部なくなるまで、しっかり練りながら、繰り返していきます。
- 大豆に仕込み水や麹が全部入ったら、おにぎり大くらいに丸めて味噌玉を作ります。
- プラスチックの樽を用意して、中と外を焼酎などで拭いて消毒しておきます。
- 樽に味噌玉をポンポンと入れていき、しっかり押して表面が平らになるように、空気の隙間がないようにきっちりと詰めていきます。
- 味噌の表面をしっかり平らにしたら、その味噌の表面に軽く焼酎を振りかけて、その上にしっかりと落としラップをして、空気が入らないようにします。
- 上から内蓋を置いて、蓋を閉めて、完成です。
- 1年くらい経ったら、食べ始めてみましょう!
豆麹と米麹で合わせ味噌~ポイント~
- 今回、塩分濃度は、だいたい12%にしていますが、1年以上熟成させられるように、これ以上塩分を少なくしないようにして下さい。塩分が少ないと長期熟成に耐えられず、腐敗してしまう可能性があります。
- 仕上がりの味噌を赤っぽくしたいと思う場合は、仕込み水を大豆のゆで汁に代えてみましょう。大豆のゆで汁には、大豆のタンパク質が沢山出ていますので、ゆで汁を加えると仕込んだ味噌の中のタンパク質量も増えますので、その分出来上がりの味噌の色が黒っぽく出来上がります。旨みが増えるということです。甘めの後味すっきりにしたい場合は、仕込み水で仕込み、コクのある赤味噌にしたい場合は、大豆のゆで汁に代えて仕込んでみて下さい。
- 半年くらい経って、覗いた時に味噌の表面に白いカビのようなものがあったら、それは「酵母」です。酸膜酵母というもので、身体に害はありませんが、特有の臭いがあるので、白くなっている部分だけをスプーンでこそげ取り、もう一度、味噌の表面を平らにして、焼酎を軽くふりかけて、落としラップをしてあげて下さい。
- もし、味噌に赤や青や黄色など、色とりどりのカビが付いてしまったら、腐敗菌が付いてしまった可能性が高いです。でも、そんな時は、そのカビの部分を大きく取り去って、一度、仕込んだ味噌を全部外へ出してしまって下さい。味噌を仕込んでいた樽や蓋を全部綺麗に洗って、もう一度、焼酎などを使って拭いて、アルコール消毒をします。そこに、取り出した仕込んだ味噌をもう一度、味噌玉を作って、入れ込み、最初と同じような要領できっちり樽に詰め直して下さい。
いかがでしょうか?作り方は、米麹で作る米味噌とほぼ一緒です。米味噌を仕込んでいる方は多いかと思いますので、いつもの米味噌の作り方で、豆麹を半分合わせて仕込むやり方で良いと思いますよ。
豆麹によって、旨みたっぷり。米麹の甘みでマイルドに。良いとこどりの美味しい合わせ味噌の完成を目指しましょう!
それでは、今回の豆麹と米麹で作る合わせ味噌のまとめです。
豆麹と米麹で合わせ味噌~まとめ~
<材料>約5~6キロ程度に出来上がります
- 乾燥大豆 1kg(茹でた大豆 2kgの計算)
- 豆麹 1kg
- 米麹 1kg
- 塩 650g (塩分濃度は、12%です)
- 仕込み水もしくは、大豆のゆで汁 750cc
<作り方>
(前日の準備)
- 前日に鍋に大豆を1kg量り入れて、たっぷりの水を入れて、一晩大豆を水につけ込んでおきます。
- 米麹と麦麹に分量の塩を入れて、しっかり混ぜ込んでおきます。この作業を「塩切り作業」といいます。
(仕込み当日)
- 漬け込んでいた大豆を火にかけていきます。コトコトと豆が柔らかくなるまで煮込んでいきます。途中でアクがいっぱい出てきますので、丁寧に取り除きながら煮込みます。圧力鍋を使ってもよいですが、せっかくの手作りですし、味噌は大豆の味もとても重要ですので、美味しく仕上げるためにも鍋でゆっくりコトコトと煮込んでいくことをオススメします。
- 大豆が柔らかくなったら、煮汁を切りながら、大きめのジップロックなどに入れて、豆が熱いうちにジップロックの上から手でつぶしていきます。熱いままでないと豆がつぶれなくなるので、手早く作業しましょう。
- 大豆がつぶれたら、大きなタライやビニールシートを敷いたテーブルに出して、更に豆の粒がないようにつぶしていきます。
- 全体的に豆の大きな粒がなくなったら、ドーナツ状に土手を作り、前日に合わせておいた麹の5/1程度をドーナツ状の真ん中に入れて、しっかりと混ぜ込むように練っていきます。そのときに仕込み水か大豆のゆで汁を少しずつ加えながら、麹が全部なくなるまで、しっかり練りながら、繰り返していきます。
- 大豆に仕込み水や麹が全部入ったら、おにぎり大くらいに丸めて味噌玉を作ります。
- プラスチックの樽を用意して、中と外を焼酎などで拭いて消毒しておきます。
- 樽に味噌玉をポンポンと入れていき、しっかり押して表面が平らになるように、空気の隙間がないようにきっちりと詰めていきます。
- 味噌の表面をしっかり平らにしたら、その味噌の表面に軽く焼酎を振りかけて、その上にしっかりと落としラップをして、空気が入らないようにします。
- 上から内蓋を置いて、蓋を閉めて、完成です。
- 1年くらい経ったら、食べ始めてみましょう!
日本の味噌の代表的な米味噌、麦味噌、豆味噌に使用している。麹たち。
米麹、麦麹、豆麹の特徴を知ることで、熟成期間を操ったり、味を操ったりしながら、自分好みの合わせ味噌を是非、手作りしてみてはいかがでしょか?
こちらの記事も参考にご覧下さいませ→「豆麹と甘酒でおかず醤油豆を作ろう!熟成期間も短くて、お弁当にもピッタリ」
どこかで誰かが、美味しい!と笑ってくれたら、私も嬉しく思います。
それでは、皆様も良い熟成を。。。
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