柿酢にイースト菌を入れるとどうなるの?微生物の働きを優しく解説します。

柿酢の作り方を調べると、柿そのままんまで発酵熟成させるレシピと柿とイースト菌を入れて発酵させるレシピと2タイプ出てくると思います。私が前回にも紹介している柿酢の作り方は、イースト菌(ドライイースト)を最初に仕込む段階で一緒に入れてしまうやり方です。

関連記事→渋柿で作ろう!柿酢の作り方。ドライイーストの力で簡単にできる。

そもそも、どうして私のレシピではイースト菌を最初から入れてしまうやり方にしたのか、っていうことなんですが、上記の記事の中にも書いたのですが、だいぶ前の事ですが、初めて柿酢作りにチャレンジした時に失敗してしまったんです。。。泣

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初めて柿酢作りにチャレンジしたのに失敗するなんて、もう絶対嫌ですよね。。。2回目にまたやろうとは思わないですよね。。。

私なんて、発酵中に発生してしまったコバエと泣きながら格闘したのに、失敗したんです。。。わーん。。。

そんな思いをしたので、初めて柿酢を作る初心者の方には、絶対失敗して欲しくない!と思ったんです。

柿酢を作るのに、イースト菌を添加するなんて、反則?!みたいな気がしてしまいますが、まずは成功して、自信を持ってもらいたいんです。成功したら、次は柿そのまんまの柿酢を作ってみたらいい、と思っています。

今回の記事では、どうして、柿酢を仕込む時にイースト菌を入れるのか。その理由について説明していきます。

ちょっとマニアック?な微生物の話になりますが、わかりやすく説明していきますね。

柿酢作りの初心者の方から柿酢を何度も作ってらっしゃる方まで、読んで頂けると発酵の仕組みが分かり、レシピだけ見て作るだけでなく、見えない微生物の働きを感じられるかと思います。

柿酢にイースト菌を入れる理由

柿酢を作る時の発酵は、2段階あります。

まずは、柿を処理して、保存瓶に入れ込み、口を布で覆って発酵させていきます。ここが1段階目の発酵です。

次に、柿を漉して、液体だけにして、また口を布などで覆って発酵させます。ここが2段階目の発酵になります。

1段階目の発酵は、アルコール発酵をさせる、というところ。

ここでイースト菌が大きな役割を担っているんです!

酵母菌を優勢にしたい!

1段階目のアルコール発酵をさせるには、酵母菌が重要な役割を持っています。ブクブクと泡を出して発酵をさせている正体は、酵母菌です。表面に白い粉っぽいものが付いてくる、これも酵母菌なのです。

柿そのまんまで仕込んだ場合は、柿の皮の表面に付着しているだろう天然の酵母菌に働きを期待するのですが、例えば、スーパーで買った柿だったり、無農薬でないような柿の場合は、ブクブクと泡立つような発酵まで時間がかかったり、待っていてもなかなかアルコール発酵してくれない場合があるんですね。

アルコール発酵までの時間が長いということは、その柿酢の保存瓶の中で行われているのは、何かというと、いろんな微生物たちが大戦争をしているんですよ。←まるで見えているような私(笑)

この戦いに酵母菌は、勝たないといけないんです。酵母菌が優勢にならないと1段階目のアルコール発酵をしてくれないんです。

戦いの期間が長くなれば、その熟成させる環境下などで、腐敗菌が優勢になってしまう場合だってある。

だから、最初に仕込む段階でイースト菌という強力な酵母菌アイテムを投入して、最初から酵母菌が優勢になる環境を作ってしまう、ということなんです。

微生物界における拮抗作用について

微生物界には、掟があります。

ある生息環境下に一定数以上の微生物が存在したとすると、その微生物だけがその場所を独占して、他の微生物たちは入ってこられないんです。

酵母菌が優勢になっている環境下では、腐敗菌は入ってこられないんです。微生物界の掟ですから。

この掟を考えて、最初からイースト菌を一緒に入れてあげる、という訳なんです。

微生物界もなかなか厳しい中を生きているんですよね。。。

イースト菌を投入しているので、酵母菌が優勢に働いて、ブクブクと元気に働いて発酵を促してくれるかと思います。

アルコール発酵までの期間も短くなりますので、腐敗菌におかされてしまう可能性も低くなっていきます。

微生物たちの特性をよく知って、人間は知恵を絞り、発酵食を楽しむというのも私は有りだと思うのです。

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柿酢にイースト菌を入れる訳~まとめ~

柿酢の1段階目の発酵の鍵を握っているのは、酵母菌です。酵母菌を優勢にするためにイースト菌を仕込む時に一緒に入れています。イースト菌を入れることで、アルコール発酵までの熟成期間は短くなり、腐敗菌の侵入を防ぐことができます。

最後に、酒類の製造免許を持たずに酒類を作るのは、販売目的でなくても法律で禁じられています。私の柿酢の記事に関しては、あくまでも酢を作る目的で紹介しているものですので、取り扱いには十分に気をつけて下さい。柿酢の記事情報によってのトラブルに関しては、一切責任を終えませんので、自己責任で取り扱って下さい。

酒税法に関しての関連記事→渋柿で作ろう!柿酢の作り方。ドライイーストの力で簡単にできる。

合わせて読んで下さい→柿酢の発酵熟成中。。このカビは、大丈夫?!の不安に答えます。

皆様、今日も良い熟成を・・・・

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