梅酢味噌が出来上がったあとに、どうやったら安心して出来るだけ長く保存できるのか。
せっかく出来上がった美味しい梅酢味噌を保存している間に不具合を起こさせて腐敗させてしまったら、悲しいですよね。。
前回の記事では、梅酢味噌の作り方を3タイプご紹介しました。
関連記事→もう迷わない梅酢味噌の作り方!3タイプの配合レシピから選ぶだけ。
梅酢味噌の配合レシピを3タイプご紹介しているのですが、ここで共通している工程がひとつあるのです。
それは、火入れをしている!という工程なんです。
梅酢味噌を出来るだけ長く安心して保存するためには、この「火入れ」という工程がとても重要になってくるのです。
もちろん、いろいろな梅酢味噌のレシピの中には、この火入れの工程がない作り方のものもありますが、火入れの工程を入れた梅酢味噌の方が断然に安心して保存できるんです。
今回は、梅酢味噌を長く楽しむための保存方法として、出来上がった梅酢味噌の保存の仕方と、どうして火入れの工程が重要なのかという理由についても書いていこうと思います。
Contents
梅酢味噌を安心して保存する方法とその理由。
まずは、梅酢味噌を作る工程で火入れするのが、保存とどのような関わり合いがあるのかということを見ていきましょう。
そのあとに、もっと安全に梅酢味噌を保存するために、保存するための瓶などの煮沸消毒の方法とアルコール消毒の方法、保存場所についても書いていきたいと思います。
梅酢味噌を作る工程で火入れした方が保存能力が高まる理由
前回、ご紹介した梅酢味噌の作り方3タイプで、全てのタイプに共通させている工程は、「火入れ」という作業です
- 生の青梅と砂糖と味噌を樽などで一度熟成させて、その後に火入れする方法
- 生の青梅と砂糖と味噌をすぐに火入れして作る方法
- 梅酒の梅の実と味醂と味噌を火入れして作る方法
この3タイプをご紹介しています。
関連記事→もう迷わない梅酢味噌の作り方!3タイプの配合レシピから選ぶだけ。
この3タイプの選び方は、そのときの季節や状況によっても変わってくると思いますし、出来上がりの梅酢味噌の味にもやはり違いは出てきますが、どれも毎日の食卓で美味しく使える梅酢味噌になるということは間違いないと思います。
さて、この「火入れ」という作業についてですが、火入れという作業をする上で期待している事は、
- 酵素を失活させたい
- 微生物の量を減らしたい
おおまかにこの2つの理由があります。そして、この2つの要素がとても重要になってくるのです。
梅酢味噌の材料は、梅の実と砂糖や味醂(糖分)と味噌の3つですよね。
梅の実には、酵母菌がしっかり付着しています。しかも、微生物たちの大好物は糖分です。使用する味噌だって、こだわりの味噌を使用すれば、その味噌はまだまだ生きている(発酵が進んでいく)かもしれません。
この発酵をするかもしれない3つの要素を合わせて、発酵に必要な環境条件がぴったり合ってしまえば、確実に発酵してしまうということになるんです。冷蔵庫に入れておけば、大丈夫と思うかもしれませんが、冷蔵庫の中でだって環境条件が合っていれば、発酵が進んでしまう可能性はあります。
発酵というのは、人間側が美味しいと思うことも「発酵」ですが、微生物側から言えば、腐敗菌などが働き腐敗させてしまうということも「発酵」です。微生物たちの営みとしては、どちらも「発酵」ということには変わりないことなんですよね。
人間が安全に美味しいと思うところで梅酢味噌を食べたり、保存して楽しむのであれば、この発酵してしまう要素をストップさせてあげる必要があるんです。
その方法が、「火入れ」するという工程なんですよね。
火入れすることで、酵素は失活しますし、微生物の量も減ります。そういう状況を作ってあげれば、その梅酢味噌は、これ以上、味や変質を極力防ぐということに繋がっていくということになるんですよ。
市販で売られている甘酒を例に取ってみると、市販で売られている甘酒は、ほとんどの物が同じように火入れという工程を通ってきています。そこに酵素や微生物が残っていれば、商店に並んでいる間に勝手に発酵が進んで、二酸化炭素を出して、容器が爆発してしまいます。味や品質も落ちていってしまいますので、甘くて美味しいあたりで火入れして容器に詰めているのです。
発酵をこれ以上させないように、火入れという工程は、保存するという考えから言えば、とても重要な工程になってくるのです。
それでは、その出来上がった梅酢味噌をもっと安心して出来るだけ長く保存するために、どうやって保存していくのが良いのか、次には、保存容器について書いていきます。
梅酢味噌を安心して保存するための容器について
梅酢味噌をただ単にタッパーなどに入れて保存してしまえば、腐敗菌などが混入して腐敗してしまうかもしれません。微生物というのは、とにかく沢山の種類があって、高温でも生きていける微生物だって存在しているんです。塩分濃度が高い場所でも生きていける微生物だって存在します。
脅かしている訳ではないのですが、やはり人間側としては、保存するということであれば、極力、腐敗してしまう要素を取り払ってあげる必要はあると思います。
そこで、やって欲しいことは、2つ。
保存容器に関する作業です。
梅酢味噌の保存容器は、煮沸消毒せよ!
梅酢味噌を入れた容器に腐敗菌が付着していたら、最悪です。。。すぐ腐敗します。。。泣!
そうならないように、保存容器をまずは煮沸消毒していきましょう。
<準備するもの>
- 瓶の保存容器
- その瓶がしっかり入る鍋
- 菜箸(瓶を引き上げるのに使用)
- ふきん(鍋の底に敷くため。瓶が鍋底に当たると割れるかもしれないので)
<煮沸消毒のやり方>
- しっかり瓶の保存容器とフタを洗剤で洗う。
- 鍋に水を入れて、鍋の底にふきんを入れて、瓶とフタを水の中に沈める。
- 火を点けて、お湯を沸かしていく。
- お湯が沸騰してグツグツしてから、約3~4分、煮込む。
- 菜箸を使って、保存瓶とフタを引き上げる。
- 綺麗なフキンの上に置いて、しっかり冷まして、水気をきる。
まずは、このような工程で煮沸消毒を行って下さい。
煮沸消毒の温度や時間の目安としては、
- 100℃のお湯で、30秒煮沸。
- 90℃以上のお湯で、5分煮沸。
- 75℃以上のお湯で、15分煮沸。
これが目安となります。私もしっかり温度を量っている訳ではないのですが、だいたいグツグツ沸いてきてから、タイマーで3~4分煮沸という感じでやっています。
さて、保存瓶とフタを煮沸消毒して、しっかり水気がなくなったところで、もうひとつ工程があります。それは、アルコール消毒です。
梅酢味噌の保存瓶を煮沸消毒したあとは、アルコール消毒せよ!
様々な微生物たちは、アルコールに弱いものたちが多いです。煮沸消毒のあとは、アルコールでも消毒をしていきましょう。
やり方は簡単です。ただ、アルコールを瓶の中や外側、フタの内側、外側にしっかり塗ってあげるだけです。
キッチンペーパーなどにアルコールを含ませて、塗ってあげるといいと思います。
ただ、アルコールと言っても注意点があります。
- 食器に吹きかけても大丈夫なキッチン用アルコール。
- ホワイトリカーなど。
このようなアルコールを使用するようにして下さい。
塗っちゃダメなのは、日本酒や芋焼酎など。糖分があったり、香りが強いアルコールは、不具合を起こしかねませんし、アルコール消毒の意味をなしません。
アルコールの選定にも注意して下さい。
それでは、煮沸消毒も終わり、アルコール消毒も終わり、出来上がった梅酢味噌を入れて、しっかりフタを閉めましょう。
さて。。。どこに保存しましょうか?!
って、話ですよね。
梅酢味噌は、冷蔵庫で保存すべし!
いろいろな梅酢味噌のレシピでは、常温で保存で1年いけますよ~とか書いてあるものもあると思うのですが、私だったら、絶対に冷蔵庫での保存をオススメします。
だって、長く保存したいのであれば、環境を一定に保っていた方がいいに決まっていますからね。
常温での保存であれば、どうしても環境に左右されてしまって、不具合が出てしまって腐敗するかもしれませんので。。
しっかり冷蔵庫で保存しましょう。ここまでの工程をしっかりやっていて、冷蔵庫で保存するならば、半年以上は余裕で保存できます。私の作った梅酢味噌が今月で7ヶ月目ですが、まだ美味しく食べていますので。。
ただ!!!
これも目安です。いくら、半年以上は保存できるだろうと油断していて、汚いスプーンなどで梅酢味噌をすくって使用していたりしていれば、もちろんすぐに腐敗菌が混入して腐ります。
どうか、綺麗なスプーンですくって使用するなど、気を使ってください。あと、冷蔵庫の中も汚かったり、腐敗した物が入っているなどすると、梅酢味噌の腐敗リスクも高まってきますので、冷蔵庫の中も清潔に保つようにするのが、長期保存をする秘訣になってきますので、注意して下さいね。
それでは、今回の梅酢味噌の保存についてをまとめていきたいと思います。
梅酢味噌を安心して保存する方法とその理由。~まとめ~
火入れをしましょう!その理由とは?!
梅酢味噌の材料は、梅の実と砂糖や味醂(糖分)と味噌の3つですよね。
梅の実には、酵母菌がしっかり付着しています。しかも、微生物たちの大好物は糖分です。使用する味噌だって、こだわりの味噌を使用すれば、その味噌はまだまだ生きている(発酵が進んでいく)かもしれません。
この発酵をするかもしれない3つの要素を合わせて、発酵に必要な環境条件がぴったり合ってしまえば、確実に発酵してしまうということになるんです。冷蔵庫に入れておけば、大丈夫と思うかもしれませんが、冷蔵庫の中でだって環境条件が合っていれば、発酵が進んでしまう可能性はあります。
発酵というのは、人間側が美味しいと思うことも「発酵」ですが、微生物側から言えば、腐敗菌などが働き腐敗させてしまうということも「発酵」です。微生物たちの営みとしては、どちらも「発酵」ということには変わりないことなんですよね。
人間が安全に美味しいと思うところで梅酢味噌を食べたり、保存して楽しむのであれば、この発酵してしまう要素をストップさせてあげる必要があるんです。
その方法が、「火入れ」するという工程なんですよね。
火入れすることで、酵素は失活しますし、微生物の量も減ります。そういう状況を作ってあげれば、その梅酢味噌は、これ以上、味や変質を極力防ぐということに繋がっていくということになるんですよ。
梅酢味噌の保存容器は、煮沸消毒せよ!
<準備するもの>
- 瓶の保存容器
- その瓶がしっかり入る鍋
- 菜箸(瓶を引き上げるのに使用)
- ふきん(鍋の底に敷くため。瓶が鍋底に当たると割れるかもしれないので)
<煮沸消毒のやり方>
- しっかり瓶の保存容器とフタを洗剤で洗う。
- 鍋に水を入れて、鍋の底にふきんを入れて、瓶とフタを水の中に沈める。
- 火を点けて、お湯を沸かしていく。
- お湯が沸騰してグツグツしてから、約3~4分、煮込む。
- 菜箸を使って、保存瓶とフタを引き上げる。
- 綺麗なフキンの上に置いて、しっかり冷まして、水気をきる。
まずは、このような工程で煮沸消毒を行って下さい。
煮沸消毒の温度や時間の目安としては、
- 100℃のお湯で、30秒煮沸。
- 90℃以上のお湯で、5分煮沸。
- 75℃以上のお湯で、15分煮沸。
これが目安となります。私もしっかり温度を量っている訳ではないのですが、だいたいグツグツ沸いてきてから、タイマーで3~4分煮沸という感じでやっています。
梅酢味噌の保存瓶を煮沸消毒したあとは、アルコール消毒せよ!
様々な微生物たちは、アルコールに弱いものたちが多いです。煮沸消毒のあとは、アルコールでも消毒をしていきましょう。
やり方は簡単です。ただ、アルコールを瓶の中や外側、フタの内側、外側にしっかり塗ってあげるだけです。
キッチンペーパーなどにアルコールを含ませて、塗ってあげるといいと思います。
ただ、アルコールと言っても注意点があります。
- 食器に吹きかけても大丈夫なキッチン用アルコール。
- ホワイトリカーなど。
このようなアルコールを使用するようにして下さい。
塗っちゃダメなのは、日本酒や芋焼酎など。糖分があったり、香りが強いアルコールは、不具合を起こしかねませんし、アルコール消毒の意味をなしません。
アルコールの選定にも注意して下さい。
それでは、煮沸消毒も終わり、アルコール消毒も終わり、出来上がった梅酢味噌を入れて、しっかりフタを閉めましょう。
さて。。。どこに保存しましょうか?!
って、話ですよね。
梅酢味噌は、冷蔵庫で保存すべし!
いろいろな梅酢味噌のレシピでは、常温で保存で1年いけますよ~とか書いてあるものもあると思うのですが、私だったら、絶対に冷蔵庫での保存をオススメします。
だって、長く保存したいのであれば、環境を一定に保っていた方がいいに決まっていますからね。
常温での保存であれば、どうしても環境に左右されてしまって、不具合が出てしまって腐敗するかもしれませんので。。
しっかり冷蔵庫で保存しましょう。ここまでの工程をしっかりやっていて、冷蔵庫で保存するならば、半年以上は余裕で保存できます。私の作った梅酢味噌が今月で7ヶ月目ですが、まだ美味しく食べていますので。。
ただ!!!
これも目安です。いくら、半年以上は保存できるだろうと油断していて、汚いスプーンなどで梅酢味噌をすくって使用していたりしていれば、もちろんすぐに腐敗菌が混入して腐ります。
どうか、綺麗なスプーンですくって使用するなど、気を使ってください。あと、冷蔵庫の中も汚かったり、腐敗した物が入っているなどすると、梅酢味噌の腐敗リスクも高まってきますので、冷蔵庫の中も清潔に保つようにするのが、長期保存をする秘訣になってきますので、注意して下さいね。
今回は、梅酢味噌の保存方法として、火入れと微生物や酵素の関係性から保存容器の処理の仕方までを書いていきました。
梅酢味噌に限らず、自家製で何かを作るということや長期保存をするということは、微生物の営みを理解することが、とても重要です。いろいろな工程があると、めんどくさいな~と思うかもしれませんが、自家製の味というのは、格別に美味しいものです!
もしも、腐敗しない食品がいい!と、そこだけ願うのであれば、極端ではありますが、添加物たっぷりの食品を選べば、腐敗する確率は低くなるでしょう。防腐剤がしっかり入っていれば、そりゃ腐敗するまでの時間は長く保たれますので。。。
微生物や酵素を少しだけでも理解するようにするだけで、私たち人間側が美味しいや安全を手に入れることができますし、本当の意味での健康的な食品を作ることができると思います。
自家製というその美味しさを是非、安心して、体験して頂ければと思っています。
それでは、皆様も良い熟成を・・・・
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