酵母菌によるアルコール発酵とは?!優しく解説いたしましょう。

今日もビールが美味しい~!とか、パンが大好き~!とか、今年の味噌の香りは最高~!とか。。。

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これ、全て酵母菌によるアルコール発酵のおかげなんです。ありがとう、酵母菌たち。

私たちの生活にとても密着した微生物でもある酵母菌。

今回は、この酵母菌によるアルコール発酵について、詳しくみていきたいと思います。

特に、アルコール発酵の話ですから、アルコール飲料についてみていきたいと思います。

私たちの身近にある、ワインやビールや日本酒は、どんな風に酵母菌と関わっているのでしょうか?

酵母菌によるアルコール発酵とは?!優しく解説いたしましょう。

まずは、酵母菌について。

どんな条件下であれば、アルコール発酵をしてくれるのか、というところから見ていきましょう。

酵母菌がアルコール発酵する条件とは?嫌気性の条件下です。

酵母菌は、酸素がある状態でも、酸素がない状態でも、どちらでも活動することができます。

ちょっと専門的な言葉を使うと、

  • 好気性(こうきせい)酸素がある状態
  • 嫌気性(けんきせい)酸素がない状態

このどちらの条件でもしっかり活動してくれる、ということなんです。

酵母菌がアルコール発酵をしてくれる条件下は、嫌気性の状態です!

酵母菌は、酸素のない状態になると、

  • 二酸化炭素
  • エタノール(アルコール)

これらを排出するんです。酵母菌を嫌気性の条件下に置くことによって、アルコール発酵を促して、いろいろな飲料や食品が出来上がっているという訳なんですね。

酵母菌側からアルコール発酵の仕組みを解説するとすれば、

「酵母菌が嫌気性(酸素のない状態)で生きていくために、ブドウ糖を食べて生命保持をして、その結果、生成されるのが、二酸化炭素とアルコールだ」

ということになります。←酵母菌の気持ちになってみた。

酵母菌側から見れば、生命保持のための活動であって、この仕組みを人間側が、上手に使って美味しい物などを作っているっていうことなんですよね。

ここで、注目すべきは、ブドウ糖がエサになっているということ。

酵母菌は、ブドウ糖が大好きなので、ブドウ糖がいっぱいあれば、ガンガン働いてくれます。ありすぎでもダメなんだけど。反対にエサになるブドウ糖が少なければ、活動は、ノロノロ。。。

酵母菌によるアルコール発酵には、嫌気性の条件ももちろんですが、ブドウ糖が多くあるかどうかも発酵の進み具合としては、ひとつの要素になってきます。このブドウ糖との関係性については、あとで説明していきますね。

さて、それでは、酵母菌によるアルコール発酵で、一般的にどのような飲料があるのか、代表的なものをひとつづつ見ていくことにしましょう。

ちなみに、酵母菌は好気性の条件下では、ビタミン合成をしてくれます。この話は、また次回に。

酵母菌によるアルコール発酵で出来る飲料たち。

ワイン

酵母菌によるアルコール発酵で、真っ先に思い出すのは、このワインじゃないかしら?

ワインの原料はブドウですよね。ワインは、このブドウの糖質をアルコール発酵した物ですね。そのために生成されるアルコール度数は、ブドウ果汁による糖質によって制限され、左右されるっていうこと。

ですから、ブドウ果汁は、とにかく糖度が高くないといけない訳です。しっかりお酒としてアルコール度数を上げないといけない訳ですから。先程、書いた酵母菌のエサは、ブドウ糖っていうことが関係してくるっていうことなんです。

とにかく、アルコール度数もあるワインを作るには、糖度の高いブドウをどうやって作るのかっていうところがポイントになってくるんです。ワイン農家の人たちは、ワインに最適な上質なブドウを作り上げるために、いろいろな工夫をしています。

例えば、ブドウの収穫を遅らせて水分が氷結する頃に臭覚して、ブドウの果実の中の氷を取り除いてからブドウ果汁にしたり、ブドウの果実にカビが生えることによって、ブドウの果実の水分が減るのを待ちます。その後に果汁として絞ったり。あとは、ブドウの果実を非陰干しにして水分が減ったところで果汁として絞ったり。。。

とにかく、ブドウ果汁の糖度を上げることっていう努力をしているということなんですよ。

ワインの一部には、加糖が認められているワインもあります。ブドウ果汁に糖分を入れちゃって、糖度を補う方法ですね。

それに、ブドウジュースで作られるワインなんかも存在しています。

ビール

私たち日本人にとってもなじみ深いビールも酵母菌がしっかり関わってきています。

でも、ここで注目してもらいたいのは、ビールの原料です。

ビールの原料は、麦ですね。麦ということは、デンプンが原料になってくるということなんですが、酵母菌は、デンプンそのままをエサとして食べて、アルコール発酵することは出来ないんです。

デンプンをブドウ糖にしてあげる作業が必要となってきます。この作業を「糖化」(とうか)と呼びます。

デンプンを糖化してあげて、しっかり分解して、そこに酵母菌によるアルコール発酵の作用を用いて作っているんです。

まず、麦を発芽させて麦芽に含まれる糖化酵素の力によってデンプンを糖に変えます。その後にビール酵母によるアルコール発酵を行って、ビールを完成させているんですよ。

この糖化の作業とアルコール発酵の作業というのは、完全に分けれています。まず、糖化させて、その次にアルコール発酵を行います。出来上がるアルコール度数などは、この糖化の段階で生成された糖分の量によって決まるっていうことです。

日本酒

さ、いよいよ日本が誇る代表的な発酵飲料の日本酒です。

日本酒の原材料は、米ですね。これも先程のビールと同様で、米はデンプンですから、デンプンを分解しなければ始まりません。

まずは、糖化の作業が必要な訳ですが、ビールと違う点があります。

それは、もろみのタンク内で糖化作業とアルコール発酵を動じに平行して行っていくという点なんです。

米の糖化には、日本の代表的なカビの麹菌の酵素を使って分解を行っています。米のデンプンを麹菌が持つ交差が分解を行うと、すごい威力で糖度が上がるんですが、困ったことに、酵母菌は、あまりにも高すぎる糖度が苦手で、あまり働いてくれなくて、結局アルコールも排出してくれないのです。適度な糖度がお好きのようで。。。←なんてワガママな!

日本の麹菌の威力が凄すぎる!とも言い換えることができるのですが。

さて、日本酒というのは、醸造酒の中でも最もアルコールがしっかり手に入ると言われているんですよ。アルコール度数20度くらいのアルコールが生成されちゃうんです。これって、正解レベルから見てもトップクラスです。

どういう原理で作られているのかというと、この糖化と発酵が平行して行われているということ。

先程から言っていたように、酵母は、生命保持のために糖をエサとして食べてアルコールを排出しているのですが、日本酒を造っている工程では、このエサとして食べて減った分の糖分がすぐに供給されて、それをまた酵母が食べてアルコールを排出するっていうことを繰り返し行っているという訳なんですよ。

ちょうど酵母菌が好きな糖度を保ちながら、それをエサとして、ずっと働き続けてアルコールを生成しているということ。

だから、アルコール度数はどんどん上がっていくっていう訳です。

酵母菌の最後は、自分が生成したアルコールなどによって、死んでしまうのですが。。。←チーン。切ないね。

酵母菌によるアルコール発酵とは?!優しく解説いたしましょう。~まとめ~

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酵母菌がアルコール発酵をしてくれる条件下は、嫌気性の状態です!

酵母菌は、酸素のない状態になると、

  • 二酸化炭素
  • エタノール(アルコール)

これらを排出するんです。酵母菌を嫌気性の条件下に置くことによって、アルコール発酵を促して、いろいろな飲料や食品が出来上がっているという訳なんですね。

  • ワイン

ブドウの糖質をアルコール発酵した物

  • ビール

麦を発芽させて麦芽に含まれる糖化酵素の力によってデンプンを糖に変えます。その後にビール酵母によるアルコール発酵を行う。

  • 日本酒

もろみのタンク内で糖化作業とアルコール発酵を動じに平行して行っていく。

今回は、酵母菌によるアルコール発酵ということで、代表的なアルコール飲料について書いてみました。

食品で言うならば、味噌の香りの正体は、酵母菌のアルコール発酵によるエタノール(アルコール)が香りに大きく関わっていますし、もちろんパンを作った時の香りも関係があるんですよ。

関連記事→酵母菌とはどんな菌?細胞の大きさや特徴をまとめてみます。

あ、最後に、ここまで酵母菌によるアルコール発酵の話をしてしまうと、自家製で作ってしまったりする人なんかいませんよね?自家製で、アルコール飲料を作るのは、酒税法により禁止されていますので、十分ご注意くださいね。

関連記事→柿酢つくりでやってはいけない事がある!柿酢と酒税法についてまとめます。

それでは、みなさん、良い熟成を・・・・

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