パンを作るときに絶対欠かせないのは、酵母菌ですよね。この酵母菌がなきゃ、パンは膨らまない訳だから。。
パンって、言ったって、とにかくいろんな種類のパンがありますよね~。もし、アナタがパン好きだったら、お気に入りの種類のパンだったり、はまっている国のパンとかがあるかもしれませんね。
この酵母菌によって、パンの風味って変わってくるんですよね。
例えば、あんパンとフランスパンって、もちろん使っている小麦粉の種類も違うけど、酵母菌だって違います。
この酵母菌の種類って、とってもパンの味や風味や弾力なんかに関わってくるんですよ。どんなパンに仕上げたいかによって、酵母菌だって使い分けて作る必要があるってことなんですよね。
今回は、このパンを作るための酵母菌について。
パンを作るための酵母菌がどんな種類があるのか?
その酵母菌そのものの作り方ってどうなのか?
パンの種類によって使い分けている酵母菌について、見ていきましょう。
Contents
パン作り用の酵母菌の種類や作り方について。パン好きは必読!
私もパンが好きです。いろいろな国によって、いろんな個性があって、本当におもしろいなって思います。
昔、イタリアに3年住んでいたのですが、イタリアは、地域によってパンの種類や形や風味が全く違うんです。いろんな場所に旅行に行っては、パンの味や形を楽しんで食べまくってました。
ちょっと足を伸ばして、パリで食べたバゲットは、外はパリパリで中身はモッチリしていて、あの味は、今も忘れられないし、ドイツで食べた黒いパンも酸味があって、しっとりしていて、最高に美味しかった。
そんな経験をして帰国したもんだから、日本での最初の仕事に選んだのは、官公庁の酵母研究室だったんです。酵母研究室では、日本国内で工業用に作られている酵母菌が毎月、研究室に送られてきて、実際にパンをいろいろな条件のレシピで焼き上げて、毎月毎月、品質試験を行っていました。
それと同時に、自然界から取ってきた酵母を培養して、それでパンとして膨らむのかどうか、なんて実験もやっていました。海水とか花ビラとか、いろいろと。。
パンを作るための酵母菌にどっぷり漬かって、酵母の種類や魅力にはまっていったんです。
その後、何年か後に実際に地元の老舗のパン屋さんでも働いていた経験があります。パン作りって、本当におもしろいです。この頃から、私の発酵好きは始まっていたのかもしれません。
日本では、手作りのパンを家庭でも挑戦する方がいっぱいいますよね。
アナタも一度くらいは、パンを作ったことがあるかしら?
最初の方でも言ったのですが、あんパンのパンの味とフランスパンの味って、違いますよね?
もしも、家庭でも本場に近いパンを作ろうと思うのであれば、しっかりこの酵母菌の種類のことや、酵母菌の作り方の事を知っておく必要があるのです。
それでは、見ていきましょう。昔の経験を思い出しながら、書いていこうと思います。。。
パン作り用の酵母菌の種類って、どんなのがあるの?
まず、大きく分けると、パン作り用の酵母菌は、2つの種類に分類することが出来ます。
- 人工培養したイースト菌(生イースト、ドライイースト)
- 天然酵母、自然酵母(自然界の植物や果実を培養した酵母)
一般的に家庭でパン作りをするときは、ドライイーストだったり、生イーストっていうのを使う事が多いですよね。パンの作り方の本なんかにも、イースト菌は、このどちらかを入れるようにと書いているのではないかしら。
もうひとつ、天然酵母や自然酵母と呼ばれる酵母菌。最近では、天然酵母パンみたいな感じで、パン屋さんで並んでいますよね。ご当地の天然酵母パンとか言って、行列のできるパン屋さんなんかもいっぱい出てきていますよね。
パン作り用の酵母菌の作り方って?!
次にこの2種類のパン用の酵母菌の作り方について見ていきます。
- 人工培養したイースト菌(生イースト、ドライイースト)
これは、培養していく段階で、工業的に特定の菌だけを純粋培養して作られています。
生イーストは、発酵力がとても高いので、工業用の大量生産のパンなどによく使われます。
でも、劣化が早いというデメリットがあるので、家庭用にはあまり向いていませんね。日本の家庭では、保存も長くきく、ドライイーストを使用するのが主流です。パン作り用としては、失敗も少なくて、安定しています。
私が昔住んでいたイタリアでは、パンが主食の国ですので、街中にもパン屋さんが沢山ありましたが、家庭で作る人ももちろんいました。スーパーに行くと、ドライイーストももしろん置いていましたが、専門店でもない普通のスーパーなんかにも、生イーストが最低2種類くらいは置かれていたのを覚えています。
イタリアは、ピザもよく食べる国だから、イースト菌は、身近な微生物なんですよね。
- 天然酵母、自然酵母(自然界の植物や果実を培養した酵母)
野菜や果物などを培地として、不特定多数の酵母や細菌類を雑多に培養したもの。
穀物、野菜や果物に付着している酵母に、小麦粉などの穀物類を加えて、培養を繰り返し、製パンが可能な「発酵種」、「パン種」を作って、これを使用しています。
小麦粉を加えて、培養を繰り返して、発酵させながら発酵種を作る理由は、酵母菌の量を増やしていくためです。
こうやって発酵培養させていく過程で、乳酸菌などの酵母菌以外の多種多様な細菌たちも増殖していくのです。そのことによって、天然酵母パンというのは、独特の風味や食感などが加わるっていうことなんですよ。
ドライイーストと発酵種は、どっちがいいの?人工的と天然と、どっちがいいのかね?!
時々、ドライイーストは、人工的に作られているから。。と、ケミカルなイメージがあって、ドライイーストは、身体に悪いみたいなことを言う人がいます。でも、元々は、自然界に存在していた、野生酵母の中から製パンに適している優良菌株を抜粋して、純粋培養して作られています。
確かに、人工的に培養して、品質も一定に保たなければいけませんので、pH調整剤や酵母培養時には、その他の添加物も入れて、純粋培養していきます。
一方、天然酵母パンを作る時の発酵種に関しては、小麦粉を加えながら、地道に発酵をさせながら作っていく訳ですが、そこには、パン作り用のいわいるパン酵母以外にも沢山の微生物も入り込んでいます。
酵母菌以外にも細菌が沢山入り込んでいるんですね。天然酵母パンなどが、酸っぱく感じたりするのは、パン酵母の他に乳酸菌や酢酸菌など、他の微生物たちも関わってきているからということなんです。
「ドライイーストは、添加物も入っていて身体に悪いから、発酵種を自ら作って天然酵母パンしか食べないわ。健康のために。」
って、言ってしまうのは、ちょっと待って。。
発酵種を作るということは、パン酵母以外の多種多様な微生物たちも入り込んでいるとすれば、はたして安全か?安全じゃないか?と考えたら。。。?!
だって、培養途中で、不特定多数の細菌類も混入しているのだから、もしかしたら、その単体だけを見てみたら、身体に悪い成分を持っている細菌類だって、その発酵種には存在しているかもしれないってことです。
だって、発酵種は、綺麗な環境下で純粋培養されている訳ではありませんので。。。
私的には、天然酵母パンの方がそういう観点から見れば、よっぽど怖いですね。プロが作った物ならいいけれど、素人が作った天然酵母パンは、恐怖を感じます。。。私も天然酵母パンを作るために発酵種を培養しますが、怖いから、他の人には食べさせたりしません。家族だけ。。犠牲者は、家族だけに。という気持ちです。
怖がらせるつもりはないのですが、人工的な酵母菌のイメージが悪いので、あえて本音を言ってみました。
清潔か清潔じゃないかで言ったら、人工的な酵母菌の方がよっぽど綺麗ってことが、お分かり頂けましたかね?
人工的なドライイーストや生イーストにもメリットが沢山ありますし、風味を作り出してくれる天然酵母パン用の発酵種にも良いところが沢山あるってこと。
そういう気持ちで、パン作り用の酵母菌は、選んでくださいね。
パン屋の裏話ですが、天然酵母パンって言っているけど、商品の品質を安定させるために、発酵種と生イーストを両方入れて作ったりしている物も沢山あります。
発酵種の種類は、いろいろあるんだよ。
パンの風味に大きく関わってくる酵母菌たち。
人工的に純粋培養されたドライイーストや生イーストと天然酵母(自然酵母)があるって、先程、書いたけども、どちらかというと、風味をいろいろと操れる酵母菌はどっちかと言えば、天然酵母と呼ばれる酵母菌。
天然酵母って、言っても、いろいろな種類があるんです。
天然酵母は、素材そのものに付着している酵母菌の数が少ないので、小麦粉などを足しながら培養を繰り返して、パンが発酵するのに必要な酵母菌を増やしていきます。このパン用の天然酵母を発酵種と呼ぶんです。
素材が違えば、出来上がりのパンももちろん変わってきます。世界には、いろいろな発酵種があります。
次は、発酵種によるパンの種類を見ていくことにしましょう。
- 果物種
果物を使って発酵種を作ります。果物の皮に付着している酵母を培養していく方法で作ります。果物の糖分がポイントで、この糖分を用いて、発酵液を作っていきます。
一般的には、ブドウやリンゴが多いですね。リンゴは皮を剥いちゃダメよ。ブドウも枝付きの干しぶどうを使って、とにかく糖度の高い物を。
- 酒種
麹と米と水を原料としています。甘酒のようなものですね。これに、ご飯や麹や水を足しながら、そこに野生酵母を取り込みながら、培養を繰り返して作っていきます。
あんパンは、この酒種を使うことが多いですね。菓子パンに向いています。
日本を代表する発酵種のです。
- ホップス種
ホップス種は、昭和初期以前まで、酒種と並びパンの発酵に使用されてきました。
ホップの煮汁に、じゃがいもや小麦粉、りんごなどを加えて種継ぎを行っていき、ホップス種になります。ホップに含まれる抗酸化作用の成分によって、培養中に製パンするのに邪魔になる腐敗菌や細菌などの繁殖を防いでいるんです。
ホップス種を使用したパンは、ホップ特有の苦みの風味があって、香ばしいような味わいです。
- サワー種
穀物の粉、ライ麦粉や小麦粉と水を混ぜて、そのまま置いておくと、温度などの環境をしっかりと管理していれば、酵母と乳酸菌や酢酸菌が共生した発酵種が出来上がります。これを使って、パンを作っていくのです。
世界的に乳酸菌活性が高い発酵種が多くあって、発酵種の多くは、サワー種と総称されています。サワードゥとも呼ばれています。
酸味があるライ麦パンなどは、一般的で、日本でも最近はよく売られていますね。
伝統的な発酵種で代表的なものを言うと、
- イタリアのパネトーネ種
- アメリカのサンフランシスコサワー
などがあります。
一言に、天然酵母と呼ぶよりも、このように発酵種の名前を呼んだ方が、分かりやすい表示になっていますね。
- ルヴァン種
フランスの伝統的な発酵種です。
ルヴァンとは、そのままフランス語で「発酵種」という意味です。
主に、小麦粉、ライ麦粉、水を合わせた発酵種で、乳酸菌や酵母菌を生育させて作られています。
このフランス伝統のルヴァン種のパンの特徴は、酸味があり、食感はモチモチで、パンの皮は厚くなるのが特徴です。
いかがだったでしょうか?
パン作り用の酵母菌と言ってもいろいろな種類があるというのをお分かり頂けましたか?
それでは、今回のパン作り用の酵母菌の種類について、まとめていきましょう。
パン作り用の酵母菌の種類や作り方について。パン好きは必読!~まとめ~
まず、大きく分けると、パン作り用の酵母菌は、2つの種類に分類することが出来ます。
- 人工培養したイースト菌(生イースト、ドライイースト)
- 天然酵母、自然酵母(自然界の植物や果実を培養した酵母)
次にこの2種類のパン用の酵母菌の作り方について見ていきます。
- 人工培養したイースト菌(生イースト、ドライイースト)
これは、培養していく段階で、工業的に特定の菌だけを純粋培養して作られています。
生イーストは、発酵力がとても高いので、工業用の大量生産のパンなどによく使われます。
でも、劣化が早いというデメリットがあるので、家庭用にはあまり向いていませんね。日本の家庭では、保存も長くきく、ドライイーストを使用するのが主流です。パン作り用としては、失敗も少なくて、安定しています。
私が昔住んでいたイタリアでは、パンが主食の国ですので、街中にもパン屋さんが沢山ありましたが、家庭で作る人ももちろんいました。スーパーに行くと、ドライイーストももしろん置いていましたが、専門店でもない普通のスーパーなんかにも、生イーストが最低2種類くらいは置かれていたのを覚えています。
イタリアは、ピザもよく食べる国だから、イースト菌は、身近な微生物なんですよね。
- 天然酵母、自然酵母(自然界の植物や果実を培養した酵母)
野菜や果物などを培地として、不特定多数の酵母や細菌類を雑多に培養したもの。
穀物、野菜や果物に付着している酵母に、小麦粉などの穀物類を加えて、培養を繰り返し、製パンが可能な「発酵種」、「パン種」を作って、これを使用しています。
小麦粉を加えて、培養を繰り返して、発酵させながら発酵種を作る理由は、酵母菌の量を増やしていくためです。
こうやって発酵培養させていく過程で、乳酸菌などの酵母菌以外の多種多様な細菌たちも増殖していくのです。そのことによって、天然酵母パンというのは、独特の風味や食感などが加わるっていうことなんですよ。
次は、発酵種によるパンの種類を見ていくことにしましょう。
- 果物種
果物を使って発酵種を作ります。果物の皮に付着している酵母を培養していく方法で作ります。果物の糖分がポイントで、この糖分を用いて、発酵液を作っていきます。
一般的には、ブドウやリンゴが多いですね。リンゴは皮を剥いちゃダメよ。ブドウも枝付きの干しぶどうを使って、とにかく糖度の高い物を。
- 酒種
麹と米と水を原料としています。甘酒のようなものですね。これに、ご飯や麹や水を足しながら、そこに野生酵母を取り込みながら、培養を繰り返して作っていきます。
あんパンは、この酒種を使うことが多いですね。菓子パンに向いています。
日本を代表する発酵種のです。
- ホップス種
ホップス種は、昭和初期以前まで、酒種と並びパンの発酵に使用されてきました。
ホップの煮汁に、じゃがいもや小麦粉、りんごなどを加えて種継ぎを行っていき、ホップス種になります。ホップに含まれる抗酸化作用の成分によって、培養中に製パンするのに邪魔になる腐敗菌や細菌などの繁殖を防いでいるんです。
ホップス種を使用したパンは、ホップ特有の苦みの風味があって、香ばしいような味わいです。
- サワー種
穀物の粉、ライ麦粉や小麦粉と水を混ぜて、そのまま置いておくと、温度などの環境をしっかりと管理していれば、酵母と乳酸菌や酢酸菌が共生した発酵種が出来上がります。これを使って、パンを作っていくのです。
世界的に乳酸菌活性が高い発酵種が多くあって、発酵種の多くは、サワー種と総称されています。サワードゥとも呼ばれています。
酸味があるライ麦パンなどは、一般的で、日本でも最近はよく売られていますね。
伝統的な発酵種で代表的なものを言うと、
- イタリアのパネトーネ種
- アメリカのサンフランシスコサワー
などがあります。
一言に、天然酵母と呼ぶよりも、このように発酵種の名前を呼んだ方が、分かりやすい表示になっていますね。
- ルヴァン種
フランスの伝統的な発酵種です。
ルヴァンとは、そのままフランス語で「発酵種」という意味です。
主に、小麦粉、ライ麦粉、水を合わせた発酵種で、乳酸菌や酵母菌を生育させて作られています。
このフランス伝統のルヴァン種のパンの特徴は、酸味があり、食感はモチモチで、パンの皮は厚くなるのが特徴です。
パン作り用の酵母がいろいろな種類があるというのがお分かり頂けたかと思います。
今度、パン屋さんに行って、パンを選ぶときは、見た目だけではなくて、発酵種の種類を念頭に置いて、買ってみるのも楽しいかもしれませんね。
発酵種の違いでいろいろな味の違いがあることを楽しんでみて下さいね。
それでは、皆様、良い熟成を・・・・
関連記事→酵母菌は肌に本当に効果があるのか?!酵母入り化粧水の謎に迫ります!
酵母菌は真核生物で細胞壁も持っています!えっ、酵母菌の成分は体に効くの?
ブログランキングの応援よろしくお願いします!スポンサードリンク