酵母菌は真核生物で細胞壁も持っています!えっ、酵母菌の成分は体に効くの?

酵母菌は化粧品や栄養食品の成分としてよく使われています。

皆さんも化粧品のコーナーだったり、サプリメントなんかでも、この酵母菌というのをパッケージや広告なんかで見かけたことがあるのではないかしら?

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酵母菌っていうのは、大腸菌のような細菌とは違い、真核生物で細胞壁もあるんです。酵母菌の体の中にある成分が簡単に外にでないようにがっちりと守られています。固いんですよ~。

酵母菌は体の中に、タンパク質(アミノ酸)、脂質、ビタミン、核酸など様々なヒトの体に良い栄養素を含んでいます!

でも、ここで。。。

酵母菌は、成分ががっちり守られてて固いんだったら、体内にちゃんとその成分は、吸収されるの?

化粧品に入っていても、皮膚から吸収されないんじゃないの?

と、そんな疑問が湧いてくると思います。

そこで今回は、酵母菌を囲っている細胞膜と細胞壁の酵母菌からの成分の抽出方法について簡単に優しく説明していきたいと思います。

酵母菌は真核生物で細胞壁も持っています!えっ、酵母菌の成分は体に効くの?

まずは、酵母菌について、詳しくみていきましょう。

酵母菌は何の仲間なの?

生物の分類はアリストテレスの時代から考えられていますが、現在はウーズ(1990年)の考え方が支持されています。

つまり、生物は真核生物、真正細菌、古細菌に分けるという考えです。真正細菌と古細菌は、以前は原核生物としてまとめて呼んでいました。

この分類方法では、酵母菌は真核生物になります。

また正しい分類では、酵母は真菌類の総称です。

ここでは、

  • パン酵母、
  • サケ酵母、
  • ビール酵母

など食品に用いられているサッカロマイセス・セレビシエのことを酵母菌といって説明します。

また、学名はラテン語なのでカタカナにするといろいろな表記になります。

あと、イースト菌という名前でもよく使われています。

真核生物って、何?

生物は大きく2つに分けることができます。

  • 原核生物(真正細菌と古細菌)
  • 真核生物

原核生物には細胞内に膜を持つ細胞小器官がないのに対して、真核生物には膜に囲まれたミトコンドリアなどの器官があるというのが、大きな違いです。

それなので、真核生物の細胞はそれ自体しっかりした膜に含まれており、いわゆる多重膜構造になっています。

うーん、酵母菌は固そうですね。

酵母菌は、細胞壁があるの?植物の仲間なの?

中学校や高校の生物では、細胞は動物細胞と植物細胞に分けられ、それぞれの特徴を学んだと思います。

その中で、細胞壁は動物細胞に無く、植物細胞にあると教わったんじゃないかな。そうすると酵母菌は植物のなかま!?

実は、中学校や高校では動物と植物以外の細胞は学びませんが、動物でも植物でもない菌類という分類が存在します。

これは原核生物と真核生物という分類とは異なる考え方の分類方法です。

酵母菌は植物のなかまでなく、菌類のなかまです。当たり前のように感じますが、実はこれは大学になって初めて習うんですよね!

というわけで、酵母菌は細胞壁があっても植物のなかまではなく、菌類のなかまです。真核生物すべてが細胞壁を持つというわけではないですが、酵母菌は細胞壁を持っています。そのために、酵母菌は他の細菌に比べて固いです。

ますます酵母菌の体の中の成分は、簡単に外に出てこないイメージですよね。本当に食品や化粧品の成分として体に効くの?

酵母菌から有効成分を取り出せ~!

前に書いたように、酵母菌は細胞膜と細胞壁にしっかりと守られています。

そのために、そのまま食べても胃などで上手く消化されないと体に吸収されないし、皮膚にそのまま酵母菌を塗っても有効成分が皮膚に浸透することもないです。

そこで実際には、酸やアルカリまたは酵素を用いて酵母菌の細胞膜および細胞壁を壊して、酵母菌の中の成分を出して使用します。これが、酵母エキス(抽出物)と言われているものです。

酵母エキスの作り方

酵母エキスを作るには、酸(塩酸)やアルカリ(水酸化ナトリウム)処理、酵素処理、または両者を併用する方法などがあります。

塩酸処理だと非常に僅かですが有害物質も生成するという報告もあります。そこで一般的に食品メーカーでは酵素処理が用いられていますので、その方法について簡単に説明します。

酵素とは、化学反応を促進するタンパク質です。たとえば、胃の中でタンパク質をアミノ酸に分解するペプシンも酵素の1つです。つまり、ペプシンという酵素はタンパク質をアミノ酸に分解するという化学反応を促進するタンパク質という言い方もできます。

このように酵素はいろいろな種類がありますが、その中で酵母菌の細胞壁を分解してくれる酵素も存在します。

この酵素を酵母菌に添加したり、酵母菌自身が体の中に持っている同じ働きの酵素を利用(自己消化)したりして、細胞膜や細胞壁を分解します。今までしっかりと覆っていたものが無くなると酵母菌の中の成分が出てきます。

また、このときに酵母菌の体を作っているタンパク質もアミノ酸に分解されるので、同時にヒトの体に効果のあるアミノ酸量も増えていきます。

酵母菌から取り出した成分って、何?

酵母は単細胞なので、1つの細胞で生きています。

関連記事→ 酵母菌とはどんな菌?細胞の大きさや特徴をまとめてみます。

そのために、酵母菌の1つの細胞の中には生命活動に必要な成分がすべて入っています。水分、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、核酸(DNA)などの成分が入っています。また、酵素処理で作られた酵母エキスには、タンパク質から分解されたアミノ酸もたくさん含まれています。

アミノ酸は、グルタミン酸などのうま味成分が有名ですが、ヒトの体の中で吸収されると再び必要なタンパク質を作るときの材料になります。また、核酸にはかつお節やしいたけのうま味成分と言われているイノシン酸やグアニル酸などが含まれています。

そのために、食品の添加物として酵母エキスはよく用いられています。

また、化粧品の成分としても酵母エキスは有効です。

関連記事→ 酵母菌は肌に本当に効果があるのか?!酵母菌入り化粧品の謎にせまります!

美肌に効果的な成分はアミノ酸とビタミンです。アミノ酸には、保湿効果があります。ビタミン(ビタミンB群)は、肌のターンオーバーを司っており、肌細胞の生成に関係しています。これらの成分も酵母エキスには十分含まれています。

酵母菌は、生命活動に必要な成分を細胞膜や細胞壁でしっかり守っています。

しかし、酵素を用いることで簡単に酵母菌の中から成分を取り出すことができます。で、この成分はヒトの体に有効な成分を多く含むために、食品や化粧品の成分としていろいろな所で応用されています。

本当に酵母菌はすごいですよね! というわけで、今回の酵母菌は真核生物で細胞壁を持っています! えっ、酵母菌の成分は体に効くの!?についてをまとめていきます。

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酵母菌は真核生物で細胞壁も持っています!えっ、酵母菌の成分は体に効くの?~まとめ~

  • 酵母菌は膜に囲まれたミトコンドリアなどの細胞小器官を持つので、真核生物です。
  • 酵母菌は菌類ですが、植物細胞と同様に細胞壁を持っています。
  • 酵母菌は細胞膜と細胞壁でしっかり囲まれているので、細菌と比べて非常に固く、体の中の成分は簡単には外にでないようになっています。
  • 酵素処理をすると簡単に酵母菌の中の成分を取り出すことでき、これらの成分はヒトに有効な成分であるために、食品や化粧品の成分としてよく用いられています。

酵母菌は本当にヒトの体に有効な成分をいろいろと含んでいます。でも、酵母エキスって安全なのかな?

実は、酵母エキスでアレルギーを引き起こす人もいます。

ただ、本当に稀なので、酵母菌のアレルギー表示義務は無いです。ということで、くれぐれも取り過ぎには注意しましょう!

それでは、皆さん、良い熟成を・・・・

関連記事→酵母菌とはどんな菌?細胞の大きさや特徴をまとめてみます。

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