よく醤油を買うと裏面の記載に「アルコール」と書いているのを見た事があるかと思います。醤油にはなぜアルコールが入っているのでしょうか?まさか、度数が高いのかな?そんな風に思う方もいるかもしれませんよね。
今回は、醤油になぜアルコールが入っているのか?度数はどのくらいなのか?お酒が弱い人でも大丈夫なのか?こんなところを書いてみたいと思います。
これを読んでもらえば、どうしてアルコールが醤油に入っているのかが分かると共に、今後どんなところに気を付けて醤油を選んでいけばいいのかが分かるようになると思いますよ。
迷わず醤油を選び、使うためにも小さな疑問を是非この記事で解決して頂ければと思います。
Contents
なぜ醤油にはアルコールの記載があるのか?度数は高いのか?
アルコール添加の役割とは?
よく醤油の裏側などのラベルの原材料の欄に「アルコール」と書いているのを見かけると思う。
このアルコール、なんのために入っているのかというと、醤油に白カビが発生しないようにする為なのである。
発酵が好きで自宅でいろいろと造っている人たちなんかは、一度は見たことがあるかもしれない。例えば、味噌とかぬか床の表面に白い粉っぽい感じのカビのようなものを見た事がないかしら?
あれは、産膜酵母という酵母菌で好気性。好気性とは酸素が好きという意味なので、酸素に触れる表面に出てくる。
体には無害なんだけども、あまり多いと香りとか風味を悪くしてしまうので、あまりよくない。
自宅で醤油を手作りしたり、量り売りがあった時代なんかには、いつも日常茶飯事でこの産膜酵母が発生していたんだけど、そんな時はいつも布などで漉して使っていたようです。
現代では、もしもお店で買った醤油に白いカビが出てきたら、分かっている人なら対処もできるだろうけど、それはクレームになりますよね。安全性を高めるためにも、アルコールを添加しているということですね。
先日、近所に醤油蔵があるので、でかけていって買った時も、目の前で瓶に醤油を注ぎ入れてくれた最後に、アルコールを入れて栓をしてくれたの。
蔵の方に、「なぜアルコールを入れるんですか?」って聞いたら、
「醤油は劣化を極力防ぐために、醤油の上部にはアルコールを入れるんですよ」って、教えてくれた。
どんなに昔ながらの醸造法で造っている醤油にもアルコールは劣化防止のために入れるってことなんですね。
アルコール度数は何度くらいあるの?
では、このアルコールは何度くらいあるのかどうか。アルコール度数も気になりますよね。
いろいろ調べてみるとだいたい1~3%程度のようです。
数字だけ見ると高いように思うかもしれませんが、そもそも醤油というのは、ゴクゴクと大量に飲むものではありませんよね。
そのまま使うにしても何か料理にかけたり、刺身につけたり、という感じですよね。
なので醤油のラベルに「アルコール」と書いていたからって酔っ払ってしまうようなことはないとは思います。
でも、もしもアルコールが入っていることが心配だという場合には、加熱した料理などに使うようにして下さい。加熱してしまえば、アルコールは飛んでしまいますので、酔っ払う心配もほとんどなくなるでしょう。
もうひとつのアルコール添加の理由
ここで、もう少し詳しくなぜ醤油にアルコールが添加されるかについて説明しておこうと思う。
先程書いたように、産膜酵母を防ぐためにアルコールを添加するのだけども、産膜酵母を抑える要素というのは3つあるのだ。
- 窒素分(旨味成分)
- 発酵中に発生するアルコール分(香りなど)
- 塩分
この3つの要素がバランスよく高ければ、産膜酵母の発生はないのだけれど、どれかひとつが低い場合は、他の要素を増やしてやる必要が出てくるということなのです。
例えば、淡口醤油の場合、淡口醤油というのは、窒素分(旨味成分)が低いので、そうなると、アルコール分を添加して補うか、塩分を足して、塩分濃度を高める必要性が出てきます。
アルコールを添加したくないのであれば、塩分濃度の高い状態にしなければいけないし、反対に塩分濃度を高めたくないのであれば、アルコール分を添加する必要が出てくるということなんです。
この3つの要素のバランスがポイントなんですよね。
アルコール添加されている醤油はどんな醤油?
アルコールがどんな目的で添加されているのか、分かってもらえたと思います。
ここまで見ていると、原材料に単純に、
- 大豆
- 小麦
- 塩
- アルコール
と記載があれば、なんとなく安心で美味しい醤油なのかな?と思ってしまうと思います。
でも、醤油の中には、安い醤油を造るために窒素分(旨味成分)を低くする代わりに、アルコール分をしっかりその分補って添加しているような醤油も存在しているのです。
どのように見極めていけば良いのかというと、その醤油がアルコール分をどのような目的で添加しているのかどうかをしっかり消費者の私達が調べてから手に取るようにすることが大切だと思います。
例えば、健康志向も高まっているので、減塩醤油などが売れているようです。確かに減塩醤油ですから、塩分は少ないでしょう。でも塩分が少ないということは、菌なども繁殖しやすいということになります。
そこで、商品の安全性や安定をはかるために、いろいろなアルコール以外の添加物を入れることになります。
私は、醤油に添加物が入っているからよくないとは言いませんし、安い醤油はダメだとも言いません。
ただ、自分がどんな醤油が欲しいと思っているのか、その醤油はどんな醤油なのかどうか、そこをしっかりと調べて、買うことが大切だと思っています。
それでは今回の「なぜ醤油にアルコールが入ってる?度数は高いの?心配なあなたへ。」をまとめていきます。
なぜ醤油にアルコールが入ってる?度数は高いの?心配なあなたへ。まとめ
アルコール添加の役割とは?
- 醤油に白カビが発生しないようにする為なのである。
アルコール度数は何度くらいあるの?
- だいたい1~3%程度のようです。かけたり、つけたりする程度では飲む訳ではないので、酔っ払うレベルではない。
- もしも心配な場合は、醤油を加熱調理をして使えば心配はなくなる。
アルコール分を添加する目的もそれぞれの醤油によって異なってきます。それを見極めるには、私達消費者がしっかり知識を持って、醤油を選ぶ必要があると思います。
もしも、近くに醤油蔵があったら、出向いていって、添加物の目的やアルコール分を入れている目的をしっかり聞いてから購入するべきですし、今はインターネットでその醤油のことを調べることだってできますので、是非、ご自分の意志を持って醤油も選ぶようにしてみて下さい。
それでは、皆さん、良い熟成を・・・
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